Scilabで学ぶフィードバック制御入門
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周波数応答:パデ近似の導出


ムダ時間は次の式で表されました。


この式は、非線形特性です。
このままでは、線形システムで扱えません。

そこで従来からよく知られる手法のパデ近似と呼ばれる算式を使います。
この方式はテイラー展開式を利用したものです。
e-Ds のテイラー展開は次式のように表されます。


1次のパデ近似
2次のパデ近似

パデ近似の定義

m、nを正の整数とする有理関数
…(1)

が、或る関数 f(x) に対し
…(2)

となるとき、 r(x) を f(x) の m*n 次のパデ 近似と言います。

パデ近似の導出

(2)式をまとめて記述すると次式になります。
← k=0,1,2・・・m+n

f(x) のテイラー展開したものを
…(3)
とします。

f(x) - r(x)のテイラー展開は
…(4)
になります。

(1) と (3) を (4)に代入すると


これを変形して次式を得ます。
…(5)

こkで、便宜上次のように置きます。


(5)式は、として次式のよう書き換えられます。
…(6)

(6)式の左辺 のxkは次のように求まります。

展開をし、各次数の係数を求めます。



xkを(6)式に代入します。


この式を満たすためには
…(7)
でなければなりません。

この(7)式が、パデ近似を求める際に解かなければならない方程式になります。